エレミヤ書15-17 ; Ⅱテモテ2

エレミヤ書

第15章

15:1主はわたしに言われた、「たといモーセとサムエルとがわたしの前に立っても、わたしの心はこの民を顧みない。彼らをわたしの前から追い出し、ここを去らせよ。15:2もし彼らが、『われわれはどこに行けばよいのか』とあなたに尋ねるならば、彼らに言いなさい、
『主はこう仰せられる、
疫病に定められた者は疫病に、
つるぎに定められた者はつるぎに、
ききんに定められた者はききんに、
とりこに定められた者はとりこに行く』。
15:3主は仰せられる、わたしは四つの物をもって彼らを罰する。すなわち、つるぎをもって殺し、犬をもってかませ、空の鳥と地の獣をもって食い滅ぼさせる。15:4またユダの王ヒゼキヤの子マナセが、エルサレムでした行いのゆえに、わたしは彼らを地のすべての国が見て恐れおののくものとする。
15:5エルサレムよ、だれがあなたをあわれむであろうか。
だれがあなたのために嘆くであろうか。
だれがふり返って、あなたの安否を問うであろうか。
15:6主は言われる、あなたはわたしを捨てた。
そしてますます退いて行く。
それゆえ、わたしは手を伸べてあなたを滅ぼした。
わたしはあわれむことには飽きた。
15:7わたしはこの地の門で、
箕で彼らをあおぎ分けた。
彼らがその道を離れなかったので、
わたしは彼らの子を奪い、
わが民を滅ぼした。
15:8わたしは彼らの寡婦の数を
浜べの砂よりも多くした。
わたしは真昼に、滅ぼす者を連れてきて、
若者らの母たちをせめ、
驚きと恐れを、にわかに母たちにおこした。
15:9七人の子を産んだ女は、弱り衰えて、息絶え、
まだ昼であったが、彼女の日は没した。
彼女は恥じ、うろたえた。
その残りの者は、これを敵のつるぎに渡すと
主は言われる」。
15:10ああ、わたしはわざわいだ。わが母よ、あなたは、なぜ、わたしを産んだのか。全国の人はわたしと争い、わたしを攻める。わたしは人に貸したこともなく、人に借りたこともないのに、皆わたしをのろう。15:11主よ、もしわたしが彼らの幸福をあなたに祈り求めず、また敵のため、その悩みのときと、災のときに、わたしがあなたにとりなしをしなかったのであれば、彼らののろいも、やむをえないでしょう。15:12人は鉄を、北からくる鉄や青銅を砕くことができましょうか。
15:13「わたしはあなたの富と宝を、ぶんどり物として他に与える。代価を受けることはできない。それはあなたのすべての罪によるので、領域内のいたる所にこのことが起る。15:14わたしはあなたの知らない地で、あなたの敵に仕えさせる。わたしの怒りによって火は点じられ、いつまでも燃え続けるからである」。
15:15主よ、あなたは知っておられます。
わたしを覚え、わたしを顧みてください。
わたしを迫害する者に、あだを返し、
あなたの寛容によって、
わたしを取り去らないでください。
わたしがあなたのために、
はずかしめを受けるのを知ってください。
15:16わたしはみ言葉を与えられて、それを食べました。
み言葉は、わたしに喜びとなり、
心の楽しみとなりました。
万軍の神、主よ、わたしは、あなたの名をもって
となえられている者です。
15:17わたしは笑いさざめく人のつどいに
すわることなく、また喜ぶことをせず、
ただひとりですわっていました。
あなたの手がわたしの上にあり、
あなたが憤りをもって
わたしを満たされたからです。
15:18どうしてわたしの痛みは止まらず、
傷は重くて、なおらないのですか。
あなたはわたしにとって、水がなくて人を欺く
谷川のようになられるのですか。
15:19それゆえ主はこう仰せられる、
「もしあなたが帰ってくるならば、
もとのようにして、わたしの前に立たせよう。
もしあなたが、つまらないことを言うのをやめて、
貴重なことを言うならば、
わたしの口のようになる。
彼らはあなたの所に帰ってくる。
しかしあなたが彼らの所に帰るのではない。
15:20わたしはあなたをこの民の前に、
堅固な青銅の城壁にする。
彼らがあなたを攻めても、
あなたに勝つことはできない。
わたしがあなたと共にいて、あなたを助け、
あなたを救うからであると、主は言われる。
15:21わたしはあなたを悪人の手から救い、
無慈悲な人の手からあがなう」。

第16章

16:1主の言葉はまたわたしに臨んだ、16:2「あなたはこの所で妻をめとってはならない。またむすこ娘を持ってはならない。16:3この所で生れるむすこ娘と、この地でこれを産む母たちと、これを生む父たちとについて主はこう言われる、16:4彼らは死の病にかかって死に、哀悼する者もなく、埋葬する者もなく、地のおもてに、糞土のようになる。またつるぎと、ききんに滅ぼされて、その死体は空の鳥と地の獣の食い物となる。
16:5主はこう言われる、喪のある家に、はいってはならない。また行って、それを悲しみ嘆いてはならない。わたしがこの民からわたしの平安と、いつくしみと、あわれみとを取り去ったからであると、主は言われる。16:6大いなる者も小さき者も、この地に死ぬ。彼らは葬られず、また彼らのために悲しむ者もなく、自分の身を傷つける者もなく、髪をそる者もない。16:7悲しむ者のためにパンをさいて、死者のためにこれを慰める者はなく、また父あるいは母のために慰めの杯をこれに与えて飲ませる者もない。16:8またあなたは宴会をする家にはいって、人々と共にすわって食い飲みしてはならない。16:9万軍の主、イスラエルの神はこう言われる、見よ、あなたの目の前で、あなたのなおこの世にいる間に、わたしは喜びの声と楽しみの声、花婿の声と花嫁の声とをこの所に絶やしてしまう。
16:10あなたがこのすべての言葉をこの民に告げるとき、彼らがあなたに尋ねて、『主がわれわれにこの大きな災を宣告されるのはどうしてですか。われわれにどんな悪い所があるのですか。われわれの神、主にそむいて、われわれが犯した罪とはなんですか』と言うならば、16:11あなたは彼らに答えなければならない、『主は仰せられる、それはあなたがたの先祖がわたしを捨てて他の神々に従い、これに仕え、これを拝し、またわたしを捨て、わたしの律法を守らなかったからである。16:12あなたがたは、あなたがたの先祖よりも、いっそう悪いことをした。見よ、あなたがたはおのおの自分の悪い強情な心に従い、わたしに聞き従うことはしない。16:13それゆえ、わたしはあなたがたをこの地より追い出し、あなたがたも、あなたがたの先祖も知らない地に行かせる。その所であなたがたは昼夜、ほかの神々に仕えるようになる。これはわたしがあなたがたにあわれみを示さないからである』と。
16:14主は言われる、それゆえ、見よ、こののち『イスラエルの民をエジプトの地から導き出した主は生きておられる』とは言わないで、16:15『イスラエルの民を北の国と、そのすべて追いやられた国々から導き出した主は生きておられる』という日がくる。わたしが彼らを、その先祖に与えた彼らの地に導きかえすからである。
16:16主は言われる、見よ、わたしは多くの漁夫を呼んできて、彼らをすなどらせ、また、そののち多くの猟師を呼んできて、もろもろの山、もろもろの丘、および岩の裂け目から彼らをかり出させる。16:17わたしの目は彼らのすべての道を見ているからである。みなわたしに隠れてはいない。またその悪はわたしの目に隠れることはない。16:18わたしはその悪とその罪の報いを二倍にする。彼らがその忌むべき偶像の死体をもって、わたしの地を汚し、その憎むべきものをもって、わたしの嗣業を満たしたからである」。
16:19主、わが力、わが城、
悩みの時の、のがれ場よ、
万国の民は地の果から
あなたのもとにきて申します、
「われわれの先祖が受け嗣いだのは、
ただ偽りと、役に立たないつまらない事ばかりです。
16:20人が自分で神々を造ることができましょうか。
そういうものは神ではありません」。
16:21「それゆえ、見よ、わたしは彼らに知らせよう。すなわち、この際わたしの力と、わたしの勢いとを知らせよう。彼らはわたしの名が、主であることを知るようになる」。

第17章

17:1「ユダの罪は、鉄の筆、金剛石のとがりをもってしるされ、彼らの心の碑と、祭壇の角に彫りつけられている。17:2彼らの子供たちは青木の下と、高い丘の上、野の山の上にある祭壇とアシラのことを覚えている。17:3わたしはあなたの富とすべての宝とを、あなたの全領域の内で犯した罪の代価として、ぶんどり物とならせる。17:4わたしがあなたに与えた嗣業からあなたは手をはなすようになる。またわたしは、あなたの知らない地で、あなたの敵に仕えさせる。わたしの怒りによって、火は点じられ、いつまでも燃え続けるからである」。
17:5主はこう言われる、
「おおよそ人を頼みとし肉なる者を自分の腕とし、
その心が主を離れている人は、のろわれる。
17:6彼は荒野に育つ小さい木のように、
何も良いことの来るのを見ない。
荒野の、干上がった所に住み、
人の住まない塩地にいる。
17:7おおよそ主にたより、
主を頼みとする人はさいわいである。
17:8彼は水のほとりに植えた木のようで、
その根を川にのばし、
暑さにあっても恐れることはない。
その葉は常に青く、
ひでりの年にも憂えることなく、
絶えず実を結ぶ」。
17:9心はよろずの物よりも偽るもので、
はなはだしく悪に染まっている。
だれがこれを、よく知ることができようか。
17:10「主であるわたしは心を探り、思いを試みる。
おのおのに、その道にしたがい、
その行いの実によって報いをするためである」。
17:11しゃこが自分が産んだのではない卵を抱くように、
不正な財産を得る者がある。
その人は一生の半ばにそれから離れて、
その終りには愚かな者となる。
17:12初めから高くあげられた栄えあるみ座は、
われわれの聖所のある所である。
17:13またイスラエルの望みである主よ、
あなたを捨てる者はみな恥をかき、
あなたを離れる者は土に名をしるされます。
それは生ける水の源である主を捨てたからです。
17:14主よ、わたしをいやしてください、
そうすれば、わたしはいえます。
わたしをお救いください、
そうすれば、わたしは救われます。
あなたはわたしのほめたたえる者だからです。
17:15彼らはわたしに言います、
「主の言葉はどこにあるのか。
今、それを出して見せよ」と。
17:16悪をつかわされるようにとは、
わたしはたって求めませんでした。
また災の日を願わなかったのを、
あなたはごぞんじです。
わたしのくちびるから出たことは、み前にあります。
17:17どうか、わたしを恐れさせないでください。
災のときに、あなたはわたしののがれ場です。
17:18わたしを攻め悩ます者をはずかしめてください。
しかしわたしをはずかしめないでください。
彼らを恐れさせてください。
しかしわたしを恐れさせないでください。
災の日を彼らにきたらせ、
滅びを倍にして彼らを滅ぼしてください。
17:19主はわたしにこう言われた、「行って、ユダの王たちの出入りするベニヤミンの門、およびエルサレムのすべての門に立って、17:20言いなさい、『これらの門からはいるユダの王たち、およびユダのすべての民とエルサレムに住むすべての者よ、主の言葉を聞きなさい。17:21主はこう言われる、命が惜しいならば気をつけるがよい。安息日に荷をたずさえ、またはそれを持ってエルサレムの門にはいってはならない。17:22また安息日にあなたがたの家から荷を運び出してはならない。なんのわざをもしてはならない。わたしがあなたがたの先祖に命じたように安息日を聖別して守りなさい。17:23しかし彼らは従わず耳を傾けず、聞くことも、戒めをうけることをも強情に拒んだ。
17:24主は言われる、もしあなたがたがわたしに聞き従い、安息日に荷をたずさえてこの町の門にはいらず、安息日を聖別して、なんのわざをもしないならば、17:25ダビデの位に座する王たち、つかさたち、ユダの人々、エルサレムに住む者は、車と馬に乗ってこの町の門からはいることができる。そしてこの町には長く人が住むようになる。17:26また人々はユダの町々やエルサレムの周囲、ベニヤミンの地、平地と山地およびネゲブから来て燔祭、犠牲、素祭、乳香、感謝祭をたずさえて主の家にはいる。17:27しかし、もしあなたがたがわたしに聞き従わないで、安息日を聖別して守ることをせず、安息日に荷をたずさえてエルサレムの門にはいるならば、わたしは火をその門の中に燃やして、エルサレムのもろもろの宮殿を焼き滅ぼす。その火は消えることがない』」。


Ⅱテモテ

第2章

2:1そこで、わたしの子よ。あなたはキリスト・イエスにある恵みによって、強くなりなさい。2:2そして、あなたが多くの証人の前でわたしから聞いたことを、さらにほかの者たちにも教えることのできるような忠実な人々に、ゆだねなさい。2:3キリスト・イエスの良い兵卒として、わたしと苦しみを共にしてほしい。2:4兵役に服している者は、日常生活の事に煩わされてはいない。ただ、兵を募った司令官を喜ばせようと努める。2:5また、競技をするにしても、規定に従って競技をしなければ、栄冠は得られない。2:6労苦をする農夫が、だれよりも先に、生産物の分配にあずかるべきである。2:7わたしの言うことを、よく考えてみなさい。主は、それを十分に理解する力をあなたに賜わるであろう。
2:8ダビデの子孫として生れ、死人のうちからよみがえったイエス・キリストを、いつも思っていなさい。これがわたしの福音である。2:9この福音のために、わたしは悪者のように苦しめられ、ついに鎖につながれるに至った。しかし、神の言はつながれてはいない。2:10それだから、わたしは選ばれた人たちのために、いっさいのことを耐え忍ぶのである。それは、彼らもキリスト・イエスによる救を受け、また、それと共に永遠の栄光を受けるためである。2:11次の言葉は確実である。「もしわたしたちが、彼と共に死んだなら、また彼と共に生きるであろう。2:12もし耐え忍ぶなら、彼と共に支配者となるであろう。もし彼を否むなら、彼もわたしたちを否むであろう。2:13たとい、わたしたちは不真実であっても、彼は常に真実である。彼は自分を偽ることが、できないのである」。
2:14あなたは、これらのことを彼らに思い出させて、なんの益もなく、聞いている人々を破滅におとしいれるだけである言葉の争いをしないように、神のみまえでおごそかに命じなさい。2:15あなたは真理の言葉を正しく教え、恥じるところのない錬達した働き人になって、神に自分をささげるように努めはげみなさい。2:16俗悪なむだ話を避けなさい。それによって人々は、ますます不信心に落ちていき、2:17彼らの言葉は、がんのように腐れひろがるであろう。その中にはヒメナオとピレトとがいる。2:18彼らは真理からはずれ、復活はすでに済んでしまったと言い、そして、ある人々の信仰をくつがえしている。2:19しかし、神のゆるがない土台はすえられていて、それに次の句が証印として、しるされている。「主は自分の者たちを知る」。また「主の名を呼ぶ者は、すべて不義から離れよ」。2:20大きな家には、金や銀の器ばかりではなく、木や土の器もあり、そして、あるものは尊いことに用いられ、あるものは卑しいことに用いられる。2:21もし人が卑しいものを取り去って自分をきよめるなら、彼は尊いきよめられた器となって、主人に役立つものとなり、すべての良いわざに間に合うようになる。
2:22そこで、あなたは若い時の情欲を避けなさい。そして、きよい心をもって主を呼び求める人々と共に、義と信仰と愛と平和とを追い求めなさい。2:23愚かで無知な論議をやめなさい。それは、あなたが知っているとおり、ただ争いに終るだけである。2:24主の僕たる者は争ってはならない。だれに対しても親切であって、よく教え、よく忍び、2:25反対する者を柔和な心で教え導くべきである。おそらく神は、彼らに悔改めの心を与えて、真理を知らせ、2:26一度は悪魔に捕えられてその欲するままになっていても、目ざめて彼のわなからのがれさせて下さるであろう。


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